マニュアル化できない「モノづくり」継承のため、自社の魅力発信と人材育成に奮闘中!
取締役相談役 野田 邦雄 ・ 代表取締役社長 山本 秀雄
御社は金属加工の中でも建築装飾金物に特化していると聞いています。その技術を習得するのはかなり難しいものなのでしょうか。
山本氏:建築物の装飾金物以外にも、オブジェ、看板、フレームなどの小物や、世界的アーティストからの依頼によるモニュメントの製作も手掛けていますが、いずれにしても手間のかかるものや特殊な技術が必要なものです。技術そのものは3年くらいやれば身につくと思いますが、当社の仕事は大量生産のできない1点ものやオーダー品ばかりなので、各人のセンスや工夫、提案力などが必要でマニュアル化はできません。
それで人材育成のためにOSAKAしごとフィールドのサービスを利用されたのですね。気づきや成果はありましたか?
山本氏:はい。「企業診断」を受けたところ、母集団形成が弱いことを指摘され、求める人物像や自社の魅力発信に力を入れることにしました。まず、ハード面ではエアコンやパソコンを入れ替え、より働きやすい環境を整えました。また、2018年度に開催されたフェンシング日本代表選手のメンタルコーチである森美智代氏のセミナーで初めて「コーチング」を知り、若手社員の能力ややる気を引き出す方法を教わりました。若手社員の定着やリーダーの育成のために、森コーチに直接依頼して社内で月に1回講義もしてもらっています。
OSAKAしごとフィールドのサービス以外で、採用や人材育成のために御社独自で取り組んでいることがあればお聞かせください。
野田氏:東大阪市の町工場を中心に一般社団法人大阪モノづくり観光推進協会※を立ち上げました。全国から会社見学を受け入れて「モノづくりの心」を若い人に発信しています。
山本氏:大学や高校からのインターンシップも受け入れています。いろんなことを通じて自社の魅力を発信し、知名度を上げる努力もしていますね。その甲斐あって、2020年4月に高卒2名、大卒1名が入社します。※大阪モノづくり観光推進協会:http://osaka-monodukuri.com/
素晴らしい成果ですね!今後も力を入れていきたいことは何ですか?
山本氏:社員が外部のセミナーを受けることで、何か「変わろう」というきっかけになればいいと思うので、「ワークアップ計画」や「HRゼミナール」など、OSAKAしごとフィールドのセミナーは今後も継続して利用させていただきます。
野田氏:「できないではなく、どうしたらできるのかを考える」という創業から変わらないポリシーを伝え、次世代に引き継いでいってほしいと思います。