最小限の採用コストと、最大限の工夫で未経験者を確保し採用難を克服!
株式会社大協建材
総務部 部長 山内俊輔
業界未経験者の採用活動に力を入れている背景や具体的な取り組みを教えてください
山内氏:建設業界では、この先10年で技能労働者数が50万人以上不足すると予想されており、その主な原因は技能労働者の高齢化と若年層の建設業離れだと言われております。次世代の担い手の確保、技能の継承が企業存続の鍵となりますが、当社も若い人材の採用に力を入れているものの、厳しい状況を強いられていました。そのため、業界や職種の経験者を探すのではなく、建設業界未経験者の中から広く中途採用すべきと考え、3年前ぐらいからハローワーク求人をはじめ、ネット求人媒体の活用、また直接求職者と面談できるイベントに参加しながら、採用活動を進めております。これらの採用活動にはコストはかかっておらず、体制も私1名で行っています。通年で採用を行っており、営業職・施工職合わせて毎年20名弱の採用をしています。
求人メディアは何を利用していますか
山内氏:求人メディアについては、ハローワークへの掲載を基本とし、web求人の無料サービスも活用しています。ハローワークには頻繁に足を運び、担当者とはよく話をします。掲載する情報をどう変更すればよいかを質問し、月1回は求人票を見直しています。Web求人では、どのようなワードの検索が多いのか確認できますので、月に3回程度検索ワードを追加したり、表現を変えたりしながら当社の求人ページが閲覧されたかどうか常に確認しています。
会社・仕事の魅力発信でどのような工夫をされていますか
山内氏:当社の主軸である仕事(防水シーリング施工)は、あまり世間では知られていない工種ですので、求人情報で知ってもらうにはどうすれば良いか、というのは本当に悩みました。文字で伝えるのは大変難しいですが、専門用語を使わず表現し、サイト内動画で仕事を説明しています。
自社ホームページの採用メニューにweb求人のページへのリンクを貼り、しっかりと会社と仕事の内容を説明しています。
合同企業説明会などのマッチングイベントではどのような工夫をしていますか
山内氏:募集職種に合ったパネルとアプローチブックを、手作りで準備しています。当社ブースに来てくれた求職者に対しては、求職者が知りたいと思っている内容について、わかり易く真摯に説明することを心がけています。また、しっかり質問をしてもらえる雰囲気づくりが大切だと考えています。経験問わず「やってみたい」という気持ちをしっかり持たれている方とは、必ず面談を行うようにしています。今は熟練の技能者でも、最初は未経験からのスタートですので「前向きな気持ち」を持っていることが、とても大切だと考えています。
定着については、どのような課題意識をもっていますか
山内氏:業界未経験者を採用していることもあり、離職理由に「こんなはずじゃなかった」という言葉をよく聞きました。また、高校生を過去3年で5名ほど採用しましたが、すべて1年以内に離職されました。
建設現場の寒い・暑い、繁忙期での休日勤務などは、理想と現実のギャップと捉えるのか、企業側の説明が足りなかったのかと考える中で、採用面談では仕事の魅力を知ってもらう以上に仕事の大変さも、しっかりお伝えするように心がけています。イイこと3割、やりがい3割、厳しさ4割の割合で説明するべきだと考えています。早い方で1ヶ月、遅い方では6ヶ月で離職される方がいます。最初の1年間は、とにかく続けてくれればよい。1年経てば新たな気づきがあると思うので、次の1年につながると考えています。総務部門としては特に1年目の新入社員に気を配り、「悩んでいることはないか」と声をかけています。
最後にOSAKAしごとフィールドに対する感想や期待を教えてください
山内氏:OSAKAジョブセレクションに出展させていただいて、最終的には採用には至らなかったものの求職者との交流の機会を持たせていただいたことに感謝しております。今後については、高校から入社半年未満の社員が参加でき、異業界であっても高校生から入社した先輩社員の話が聞けるようなイベントがあれば良いと思います。また、建設業に特化した求職者とのマッチングイベントの企画を期待しています。