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海外業務課とロボット課のメンバー、中央がホセ・ボーデン氏、右端が土井敦史氏 海外業務課とロボット課のメンバー、中央がホセ・ボーデン氏、右端が土井敦史氏

新規事業の根幹を担う人材を、グローバル人材の採用により確保

「公的機関の支援を得て採用活動」⇒「優秀な外国人人材獲得」⇒「多様性が良い刺激に」

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interviewee
大喜産業株式会社 
海外業務課 課長 土井敦史
本社所在地:大阪府大阪市西区立売堀1-5-9/創立:1939年/従業員数:229名/業種:卸売業
日本のモノづくりに必要不可欠な機械要素部品、またその周辺機器を含めた機械装置や設備関連製品をトータルプランニングする専門商社。

外国人の採用に取り組むきっかけについてお聞かせください。

土井氏:2014年に世界へ販路を拡大すべく海外事業を発足し、2016年には海外のロボット製品を日本で販売するロボット事業が発足しました。これらのグローバルな事業展開を更に促進するには、語学力だけでなく国際的な感覚を持ち合わせた外国人が必要不可欠であると考え、大阪府「グローバル人材(外国人留学生)採用・定着支援事業」のメニューを利用しました。

そんな中、採用とは関係のない自社のホームページから、突然採用についての問い合わせが入ってきました。問い合わせをしてきたのは、ドミニカ共和国出身のホセ・ボーデンさんで、現在当社で活躍している外国人人材の第1号の方です。能力が高いだけでなく、謙虚で前向きなその人柄に、社内メンバーも感銘を受け、今も良い刺激をいただいています。この事例が、多様な人材の受け入れについての自信に繋がり、その後、より積極的に外国人の採用に取り組むきっかけとなりました。

外国人採用について、具体的にはどのような活動をされましたか。

土井氏:主にセミナーを活用した情報収集や、合同企業説明会等のイベント参加です。2020年秋、初めて出展した「外国人留学生合同企業説明会」では、熱心で優秀な外国人留学生と直接会う機会を得られ、グローバル人材採用の経験値を上げることが出来ました。2021年には外国人留学生を対象としたインターンシップに参画しました。3日間の外国人の受け入れは、初めての体験だったため、大変貴重な経験となりました。インターンシップ時の対応については、コロナ禍という厳しい状況で準備に苦戦しましたが、何よりも「日本の企業はどんなところなのかを体験させてあげたい」「当社のアットホームな社風を感じてもらいたい」という強い想いがあり、先輩社員とのフリーディスカッションの場を設けるなど、オンラインであっても本音で話せるよう、しっかりコミュニケーションを図ることに注力しました。どのインターン生も実習に取り組む熱心な姿勢がとても印象的で、母国を離れ日本で活躍したいと願う留学生には高い意欲や覚悟があり、優秀な人材が多いと改めて痛感しました。

取り組みの成果と、苦労した点についてお聞かせください。

土井氏:特に成果があったのは、インターンシップに参画したことです。当初の目的は経験値アップでしたが、ご参加いただいた3名の留学生のうち、ベトナム出身の女性の方1名の採用につながりました。当社で2人目の外国人人材です。この方も非常に優秀で、インターンシップの課題として出したプレゼンテーションの内容も素晴らしく、また日本語はN1レベル、中国語も話せる語学が堪能な方です。

苦労した点は、「コミュニケーションの難しさ」でした。日本人の「あたりまえ」が通用しないこともありますし、「空気を読む」ということを期待してはいけません。きちんとお互いが理解し合えるよう、しっかり向き合ってコミュニケーションを図ることが大切だと感じています。

採用後の社内の変化や良かった点についてお聞かせください。

土井氏:外国人人材は日本人とは違う国際的な感覚を持ちつつも、謙虚な雰囲気や勤勉さ熱心さがみられます。日本人が疑問視していない点を指摘されることがあり、改めて考えさせられる事象があって新鮮です。これまで外国人従業員がいなかった当社が、このように多様な人材を受け入れることによって、社内活性化や企業全体の成長にも繋がるのではと期待しています。

人事管理面では、今まで行ったことのない管理実務が発生しています。そのためには、在留資格に関する知識の習得や、会社生活だけでない日常生活にまで配慮することの大切さを実感しています。また、労働環境の整備としては、新たに外国人社員の一時帰国用として休暇制度を設けました。理由は、外国人の帰国先が遠いためです。母国の距離にあわせ往復にかかる日数を公休扱いとしています。

これから外国人採用に取り組む企業へのアドバイスをいただけますか。

土井氏:当社は外国人人材の採用を始めたばかりですが、「日本で働きたい外国人には、能力が高い人材がいる」ことに着目し、外国人という区別ではなく多様な人材の一人という認識を持つことで、より優秀な人材確保が可能になるのではないかと感じています。とはいえ、外国人人材の採用を経験したことがないと、分からないことも多くあります。まずは、公的機関でのセミナーやイベントに参加をすることをお勧めします。色々サポートしていただけますし、経験することで理解が深まり、より良い採用につながるのではないでしょうか。

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