キャラクター導入によるブランド力向上で、採用・定着効果あり!
日本鏡板工業株式会社
総務部 部長 岩間雅博
とても可愛らしいキャラクターを導入されていますが、動機から教えください。
岩間氏:当社は製造業で、主に金属製品の加工を行っているBtoBの会社です。採用に関する課題もありましたが、ビジネスだけでなく、広く一般の人にも当社のことを知っていただくためにはキャラクターの導入が効率的なのではないかと代表の発案で、5年前に登場させたのがきっかけです。ホームページに載せて「広報部員の鏡(かがみ)ミライ」として当社の様々なPRを展開していきます。「鏡ミライ」のデザインは、外部会社に依頼をして複数候補を出してもらいました。当時の流行と一般の方が親しみやすいキャラクターにしようと、社内にて検討し決めました。
ただ、広報活動についてはキャラクターのデザインを決めることよりも、「そのホームページに来ていただくにはどうするのか?」、「次にPRをどのように展開していくのか?」など、具体的な活動内容を決めていくところが、なかなか大変でした。各課から募った女性5名のプロジェクトチーム(広報部)を立ち上げ、いろんな案を出し合いながら進めていきました。
導入効果はいかがですか。
岩間氏:大きくは3つほどあります。毎年卓上カレンダーを社員にも配布しているのですが、「お父さんはこういうキャラクターのいる会社に勤めているんだね」といった家族との会話がはずんだということは結構あるようです。名刺でもキャラクターによる話のとっかかり効果は大きいですし、展示会においても等身大パネルの設置と扇子の配布で、ブースに沢山の人を呼び込みました。他にも、ホームページからダウンロードできる採用向けブランディング冊子『「ものづくり」そして未来へ共に進む』を求人票につけて、学校の採用担当者にお送りしています。採用効果としては、鏡ミライを前面に打ち出したからなのか、今までほとんど採用できていなかった高校新卒者を2019年度は大阪で3名、2020年度は大阪で2名と茨城で2名の計4名採用することができました。
その冊子の中にある「先輩社員の一日を取材」の中に「働きやすさ」「アットホーム」といった言葉が目立ちますね。
岩間氏:働きやすい職場をめざしての環境改善は常に進めています。「アットホーム」に関しては、当社代表の考えで、毎月各工場に出向いて誕生月の人たちと話しながら一緒に昼食をしています。常に「社員は家族」と言っていますし、先代から引き継いでいるものだと思います。離職率の低さは、社員憲章で掲げている内容や、もうすぐ創業60年を迎えて100年企業をめざしていく中で、社員は将来的な不安はあまりないと感じてくれているためと思っています。実際、2019年度、2020年度に入社してくれた新入社員も、会社の雰囲気に慣れたようで頑張ってくれています。
社員の定着率を高めるためにどのような取組みをされていますか。
岩間氏:社内向けのブランディングでしょうか。「社員総会」を東京と大阪の2カ所で開いて、工場の社員も全員参加で実績・目標・重点実施事項を知ってもらうという取り組みを行っています。この「社員総会」は、新型コロナウイルス感染防止対策により、過去2年間はオンラインにて開催していますが、いろんな表彰、5S活動や提案制度を通じて会社が求めていること、社員が求めていることが出てくる、とても良い「場」だと思っています。経営理念の「すべての人を幸福にし永続発展することを目指します」に向かう上でも、必要な共有のための取り組みと言えそうです。
このような地道な取り組みも、キャラクター「鏡ミライ」ちゃんを通じてPRしていけますね。
岩間氏:当社の良いところを、キャラクターを通じてPRしていく取り組みは、会社のブランド力を向上させ、社員が定着してくれることにつながっていると感じています。採用活動にも引き続き「鏡ミライ」ちゃんに活躍してもらいたいと思っています。