有償OJTプログラムを活用して
正社員採用に成功
ITシステムの設計、構築、運用、管理、サポートまで行う
分かりにくい仕事をできるだけ分かりやすく体験してほしい
求職者に「※有償OJTプログラム」を利用していただく前に、同社は受け入れ体制を準備していた。あらかじめどのようなプログラムを行うか明確化した。何故なら同社の仕事の特性上、仕事の全容を把握しないまま、求職者がすぐに業務を体験してもらうことは難しいからだ。同社の1ヵ月の職場体験の具体的な流れは、最初に若手社員が新人用のテキストを使って求職者に説明をする。その内容を理解した上で、求職者は練習課題を実際に行う。内容を説明する若手社員も仕事を理解しているか改めて確認でき、求職者も課題に取り組むことでそれら業務がどの程度習得しているか確認できる仕組みになっていると言う。
※有償OJTプログラムとは、大阪府の総合就業支援拠点「OSAKAしごとフィールド」を利用する求職者と事務局が雇用契約を締結し、企業に求職者を派遣するプログラム。受け入れ企業と求職者は事前に面談を行い、双方の合意のもとOJTを開始。OJT期間内に双方が適性や相性を見極め、OJT終了後、正社員としての採用をめざす。
少しでもミスマッチを少なくする為の努力を
2011年に設立し、今年でちょうど10年になる同社。ITのプロフェッショナルとして、主に「サーバー・ネットワーク」や「web分野」でクライアント対応を幅広く行ってきた。同社の仕事内容は、専門性が高い為、その適性を数度の面接だけでは判断できないと採用担当者は語る。過去に他のサービスで職場体験を経て採用に至ったケースがあり、職場を体験して採用に至った方がミスマッチが少ないと感じたという。その様な経緯があって今回、OSAKAしごとフィールドから案内があった「有償OJTプログラム」を利用するきっかけになったと聞く。
コロナ禍でも未来のIT業界の人材を求めて
「有償OJTプログラム」を通しての効果としては2つあるという。1つ目は、1ヵ月の職場体験をしてもらうことで仕事以外のコミュニケーション能力が分かるということだ。仕事の適性も大事だが、採用に至る大きな決め手として「その方の人柄」も重要視しているという。面接だけでは判断できない普段のコミュニケーションの様子を見ることで、採用担当者だけでなく職場全体でその方が社風に合うか見極められるということだそうだ。2つ目は、採用担当者と求職者の間に第三者であるOSAKAしごとフィールドのスタッフが入ることで双方からの「本音」を伝えやすいということだ。相談内容も採用に関する内容から社内でのコミュニケーションまで多岐に渡り、本採用する前に、直接聞きにくい内容も聞けたという。同社としては、求職者と近い距離で採用活動をしたいと望んでいる為、引き続き利用する予定だ。IT業界にとっては、コロナ禍が追い風になっているため、今までより求職者から注目されていると同社の採用担当者は語る。今後の会社の目標としても、コロナ禍で伸びている「Webの分野」を強化していきたいとのことだった。