OSAKAしごとフィールド
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派遣社員を正社員に登用。
「努力する人にチャンスを」

ヨドヤ包装株式会社
本社所在地:大阪府大阪市天王寺区真法院町11-4/従業員数:57名/業種:製造業(印刷)
野菜や果物の店頭用の包装資材を、企画から製造、納品まで一貫して行う

労に報いるための取り組み

「働く人がいるから会社が成り立つ」。その考えのもと、代表取締役の寺田氏は社員に対して、会社の利益を目に見える形で還元している。退職金制度もその一つだ。会社への貢献に見合った額の退職金を、社員全員に支給するために毎年積み立てている。
きっかけは、派遣社員たちが会社に貢献しているにも関わらず、満足な還元がされていないのではないかと気付いたことだ。派遣元の会社に人件費を支払っているが、どれくらいが本人の手元に渡っているのか疑問に思い、確認した。そこで、正社員との格差に驚かされた。
派遣社員たちは優秀で、熱意を持って仕事に取り組んでいた。他の社員と同じように、頑張りが本人に還ってくるようにしたいと思い、全員と面談。そこで、「これまでは努力をしてもチャンスに恵まれず、また、正社員登用についても先送りにされることが多かった」という境遇を初めて聞いた。
派遣者員たちは正社員としての活躍を望んでいるとわかり、派遣元と話し合うことを決めた。紹介予定派遣ではなかったが、手続きを踏み、改めて正社員として迎えることができた。

異色の経歴による、働く人間としての視点

寺田氏は、中途採用で同社に入社した経緯を持つ。営業としての活躍を評価され昇進。そののちに常務を任されるに至った。しかし、それはただ喜ばしいだけの話ではなかった。その頃、会社の売り上げは半減しており、7人いた営業が2人まで減るような過酷な時期。社員からの会社に対する不信も募っており、常務就任はまさに火中の栗を拾う話であった。だが、縁があって入った会社ということもあり、覚悟を決めて会社の立て直しに奮闘。その2年後に、代表取締役として会社を託されることになった。
とにかく何よりも、「会社を潰さないため」に力を尽くした。経営者としての視点を身につけるまでには苦労があり、会社に残った社員と共に骨身を削って乗り越えた。そのような経緯があったからこそ、雇用形態や立場に関係なく、働いてくれる社員の待遇改善を行っていきたい、という理念が生まれた。

47か所の支社から生まれる「新たな雇用」の夢

派遣社員から正社員に登用した人材のモチベーションは格段に向上。出荷間違いをなくす仕組みを考えたり、滞納在庫のキャッシュフローを改善したりと目ざましい活躍を見せた。その能力を適正に評価し、現在は現場オペレーターのリーダーや営業所の責任者を任せている。
今後、寺田氏が抱く夢は、全国47か所に支社を作ることだ。全国に広がる1,000社以上の取引先の近くに、オンデマンドデジタル印刷機を用いて小型の製造支社を置く。クライアントの傍に支社を作ることで、物流を根底から変え、「納期」という考えそのものをなくす。
そしてもう一つの大きな効果が、47人の支社長と一緒に、新たな雇用が生まれることだ。チャンスがなかったことで努力を認められなかった人にも、雇用の機会を創出することができる。
「働く人の生活改善や、退職時の補償までできてこそ ”経営” だ」と語る寺田氏。経営する側と働く側、両方の視点を持つことで、会社の拡大と社員の生活改善を実現している。