新卒採用を機に意識を変革。受容力を高め、
皆が活躍できる環境を醸成
社内に活気を取り戻すため、若手や女性の採用に注力!
古くなっていた設備を順次更新していくことで現場の雰囲気を明るいものに変え、当時在籍していた若手社員のモチベーションアップを試みた。同時に女性新卒社員の採用を決断した。「大卒の女性に出来る仕事はない、採るなら若い男性にしろ。」社内には反対の声も多く、それらを押し切ってのスタートだった。若い女性が、年配社員の多い環境に少しでも早く馴染めるようにと、まずはインターンシップという形で受け入れた。大学在学中の3か月を使って、実際の業務を体験してもらうことで、仕事に対応できそうか、会社に馴染めるかを企業・学生がお互いに検討した後、採用に踏み切った。同年代の数名でインターンシップを行ったことも功を奏した。不安があれば相談し、壁に当たればアドバイスを送り合う仲間がいたことは、学生たちの心の支えとなった。当初は話しかけられても反応を示さなかった年配社員たちも、彼ら彼女らの誠意をもって実直に仕事に取り組む姿を見て、徐々に態度を柔和にさせていった。これを皮切りに20代の社員を増やしていったことで少しずつ年齢層も下がり、会社全体の雰囲気が変わっていった。
マイナスからの再スタート
2011年、現社長の堀内氏は叔父から会社を買い取るかたちで株式会社センショーを再スタートさせた。今までの経営方針から決別したいという強い意志が、引き継ぐのではなく、あえて買い取りを選ばせたのだと言う。当時、売上高2億円に対し負債は12億円以上。社長に就任して数年は借金返済のために奔走する日々が続いた。2年半かけて借金をすべて完済し終えると同時に、会社の改革に着手した。当時、社員の平均年齢は60歳過ぎ。現場の男性30名ほどの他には、事務の女性が数名いる程度だった。職人気質の人が多く張り詰めた暗い雰囲気が漂い、長年更新されずに放っておかれた設備は薄汚く感じられた。それがそのまま伝播していたこともあり、求人募集をかけても、男女問わず若い人からは敬遠されていた。「まずはそこから変えたいと強く思った」と堀内社長は語った。
多様性を受け入れ、皆がのびのび働ける環境に
若い女性がいきいきと働く姿は応募検討している人の安心感に繋がり、同世代の応募数が増加するという副次的な効果も見られた。また、色々な価値観・文化・バックグラウンドを持つ人たちと仕事をすることは、必ず今後の糧となるという堀内社長の考えのもと、約3年前から外国人技能実習生の受け入れを開始している。はじめは社長自らが各部門へ実習生に仕事を任せるよう指導して回ったが、実習生たちの丁寧で真剣な仕事ぶりに少しずつ信頼が集まると同時に、会社へも馴染んでいった。このような取組みにより多様な考え方にふれたことは、社員の受容力を広げたという。現在、女性の管理職は約1/3に達している。性別や年齢・国籍等をとりたてて意識することはなく、当たり前に多様性を受け入れられる環境が醸成されてきたからこそ、結果的にみんなが活躍出来ているのだろう。