外部機関をうまく活用して、
社内の意識を改革
溶融亜鉛鍍金、エポキシ樹脂粉体塗装等の表面処理及びその製品の販売
交通(道路)製品の製作加工及び販売
幅広い知識に触れ、柔軟な考えを身につける
「自身の専門分野にのみ精通する人材ではなく、遍く深い知識を身につけそこから自発的に考えを生み出すことの出来る人材になりなさい」という代表の考えのもと、研修制度も整えていった。現在は、新入社員研修から中堅社員、上層部の研修に至るまで、あえて外部コンサルタントを交えて行っている。業界内や自社内の限定的な狭い考え方からの脱却と、他社の傾向や世間の流れも加味した広く俯瞰的な考え方を身につけるのが目的だ。また管理部門などの製造に関係ない部署も対象とし、大学の教授を招いて金属材料等のセミナーを開催したり、自身で選択した科目を大阪府内の大学で受講出来る科目等履修生制度も行っている。セミナーはレベルが高く、テストの時間も設けられていて気を抜けないながらも、積極的に取り組む社員の姿勢が多い、と人事担当者は目を細めていた。
迫られた意識改革
1930年に創立された同社は、約90年という長い歴史を刻んで来たが、必ずしもその道のりは平坦ではなかった。高度経済成長期以降、電力会社向けの送電鉄塔事業を基軸として、子会社を通じての玩具の販売等も手掛け、業績を伸ばしていた。しかしその後の景気低迷に伴う設備投資抑制の動きなどから受注が低迷し、主力の送電鉄塔事業の業績が悪化し経営が傾いた。厳しい経営状況に直面したことが、社員の中に変革への意識を芽生させた。「今まで通りではいけない。」これを「あたりまえ」の意識に、再起に向けて奮闘していくこととなる。まず最初に5年後の売上げ目標を明確に掲げ、そこから逆算して必要な改革を開始した。中でも、人材の育成には特に注力した。
しなやかに変化する会社であり続けるために
十数年にわたる意識改革の中で社員一人ひとりが意欲的に挑戦していく土壌が徐々に出来あがってきている。以前は各部署の中でのみ技術が共有されていたが、部署を超えた話合いの場を設けたことは、各部内に留まっていた技術やアイデアの結びつきを生み、新しい研究開発の火種となった。メイン事業となる送電鉄塔の業界では、近年の台風の大型化等、環境変化への対応が求められるようになってきている。会社も人もその場に留まることなく、常にしなやかに変化していかなければいけない。今後は売上高100億円を目ざして、部署の垣根を更に越えて協力していくとともに、社員個々人が課題を見つけそこに挑戦していける、変化し続けられる会社であり続けたいと担当者は語る。